家族だからって仲良くする必要はない

先日少し家族のことを書いたけど、私は家族とそれほど仲良くない。いや、仲良くないわけではないのだけども、ちょっとドライな関係というか、距離を保ってつきあっていきたいという間柄。

実家は同じ県内だし帰ろうと思えばいつでも帰れるのだけど、１年に２～３回しか帰らない。兄弟がいるけど、もう５年くらい顔をみていない。

別に家族に恨みがあるとか嫌いとかではなくて、これが私にとってのベストな居心地の良い家族のあり方なのだ。

若い時にはずいぶん悩んだこともあった。家族のことをそれほど好きじゃないって普通じゃないんじゃないか、もっと大切にしなければいけないのではないかと。はやりの歌で「家族に感謝～」などあると、イライラすることもあった。みんながみんな家族がいるわけじゃない、家族に感謝してない人もたくさんいるはずだと。

大人になって「まあこんな形もあるよね」とあきらめられたというか、受け入れられたことで、ずいぶんと気が楽になった。無理に家族仲良しごっこをしなくても良いのだと。

そして親も一人の人間であると分かったことも大きい。ある日私が父親に車で家まで送ってもらおうとしたら母に突然すごい剣幕で怒られた。「お父さんも疲れているのに、なんでそんな甘えてばっかり！」私はちょっと混乱しながらも、ごめんなさいと言い帰ったのだけど、帰ってから母からメールがきた。「さっきはごめんなさい。少しやきもちを焼いてしまったみたい」と。
そのときに、母もいろいろと葛藤があるのだな、自分の子どもといえども人間対人間のつきあいなことに変わりないと。

それ以来、私はより家族との付き合い方を考えるようになった。そして今はお互いが良い関係でいられる距離感で接するようにしている。

家族だからって、仲良くしなくていい。家族だからって、好きである必要はない。もし家族関係で悩んでいる人がいたら、世間の思いこみの呪縛から解き放たれて生きやすくなってほしいと思う。