橋本病の話その３

橋本病だけど薬はまだ飲まなくてよい、でもつらくなったら薬出すから言ってね。喉のしこりも若干あるものの、まあ大丈夫でしょう、という状態のまま数年が経ち。つらいってどういうラインからつらいのか、普通の人の感覚がもはや分からないし、もしかしたらダルさも自分が怠けてるだけかもしれない。でも年々太っていくのは橋本病のせいなんだ、と完全に橋本病のせいにしていたので、痩せたいがために処方をお願いしたいと何度も思った。でも一度くすりを飲みだしたら一生飲まなければいけないだろうし、ただ太っているという悩みだけで薬を飲みたいというのはどうなのかとも悩んだ。でもそれほど太っていることはストレスだった。

一度友人に「実は橋本病っていう病気なんだ」と言ってみたところ、「そうなんだ～でも死ぬ病気じゃないし、たいしたことないじゃん！　良かったじゃん！」と明るく言われたことがあった。

友人はきっと励まそうとしてくれたんだと思うし、何も責められない。

「良かったじゃん」って、何が良かったんだろう。私は本気で悩んでいるのに、周りから見れば大したことないことなんだな、と大変ショックだったのだ。人には分かってもらえないし、分かってもらえなくても良いし、言ったら自分が傷つくだけ。それ以来「もう人には言わないようにしよう」と決意した。

周りには相談する人がいないし、ネットで調べても悪いことばかりが書いてあり不安が大きくなるし。

死ぬ病気じゃない。でも、小さな棘が毎日チクリ、チクリと心を刺し続け、いつか死に至ってしまうような気持ちが続いている。